ライフジャケットの手動膨張と自動膨張の違いや、ジャケット型、ウエストベルト型等の形による特徴をまとめてみました。
一口にライフジャケットと言っても、様々なタイプが販売されています。
用途によって向き不向きがあるのでこれから購入を考えている人は参考になるかと思います。
膨張式ライフジャケットとは
まず初めに、膨張式ライフジャケットについて簡単に紹介します。
膨張式の名前通り、落水時に中の気室が浮き輪の様に膨らみ、それによって浮力を得ます。落水時以外は気室が折りたたまれているため動きやすく、持ち運びも嵩張りません。
ただし、気室を膨らますためのガスが必要なので、一度膨らむと内部に格納されているボンベや物によっては水感知センサーの交換が必要になります。未使用でも安全に使用するためには数年に一度程度の交換が必要です。
これらの交換部品はメーカー修理以外にも、市販されている物で自分で行うことが出来、値段は数千円ほどです。
固形浮力式の物とは比較にならないほど装着感が良いので、釣りに使うのであれば膨張式をおすすめします。
自動膨張式と手動膨張式の違い
落水時に膨張させる為に、自分で操作する物を手動膨張。
水を感知して自動で膨らむ物を自動膨張式と言います。最近の有名メーカーの物は殆どが自動膨張式です。
手動膨張式は膨らますために自分でライフジャケットに付いている紐を引っ張る必要があるので、落水時にパニックになっている状態ではなかなか難しいかも知れません。
僕も一度船から落ちた事がありますが、素潜りで十何メートルも潜れる僕でも水面で犬かきをするのが精一杯でした。泳ぎの苦手な方は特に自動膨張式を強くおすすめします。
手動式、自動式の構造の違いとしては、手動式ではライフジャケットから垂れ下がっている紐を引っ張るとボンベの封に穴を開けて膨張します。
自動式では使い捨てのセンサー(スプール)によって、水を感知するとバネの力でボンベの封に穴を開けます。また自動式でも紐が付いているので、手動式同様に操作する事も出来ます。
自動式、手動式の違いは、この水感知センサーの有無なので、その分自動式の方がほんの少し値段が高くなっています。
使い勝手としては、やはり安全なのは自動膨張式です。海に落ちたときに膨らませなかったのでは、ライフジャケットの意味がありません。自動式なら、落水から数秒後には自動的に膨らむので、溺れると言う事はまず無いと思います。
手動式のメリットとしては、逆に落水しても自動では膨らまないと言う事です。
一般的に多いのは、船や岸から身を乗り出した時にバランスを崩してと言うのが多いかと思いますが、その場合パニックにならずに泳げる方なら簡単に戻る事が出来る距離です。不必要に膨らまない方が泳ぎやすく、膨らまさなければボンベの交換も不要です。
もう一つは、センサーがないので雨や水しぶきによる誤操作の心配がありません。ただしこれについては最近は改善されているようです。
少し前の自動膨張式では、水のかかり方によってはセンサーが反応してしまい、陸の上でブシューっと膨らむと言う事もあったようですが、最近の製品ではセンサー部分にカバーが取り付けられてあり、ある程度水没しないと反応しないようになっています。
ライフジャケットの形による違い
膨張式ライフジャケットの形にも種類があり、代表的な物では普通のライフジャケットの様に着る「ベスト型」、腰に巻く「ウエストベルト型」等があります。通常時の形だけでなく、膨張時の形もそれぞれ大きく違います。
ベスト型
おそらく一番多く販売されていて、使っている人も多いと思うのが、ジャケット型です。サスペンダー型とも言うようです。
膨張式ではないライフジャケットと同じように、膨張時には上半身に気室があるので、楽な姿勢で浮かびやすく、意識が無い状態でも顔を水面に挙げておくことが出来ます。
一番安全性の高いタイプですが、欠点として、下に書く他の物と比べると、着用感はそれなりにあります。
ウエストベルト型
こちらのウエストベルト型もジャケットタイプ同様に人気の形です。
腰に巻くだけなので脱着しやすく、ほとんど付けている感じがしません。
ジギングなど、体を良く動かす釣りには最適だと思います。
また、防寒着やレインスーツも脱ぎ着しやすいです。
ジャケットタイプと違い、膨張時には浮き輪の様な形になるので意識がないと溺れてしまいますが、泳ごうと思えばこちらの方が泳ぎやすくなっています。
ウエストポーチ型
販売されている種類は少ないですが、ウエストポーチ型の物もあります。
ウエストベルト型との違いは、気室やボンベが一か所に集約されているので、腰回りのゴワツキ感がありません。
ただし、集約部分は本当のウエストポーチの様に出っ張っているので、体の正面に回せばロッドワークに影響したり、後ろに回せば椅子に座りにくくなると言う事があるかもしれません。
他のタイプと違い、膨張時には、ジャケットが飛び出してきます。それを水中で自分で着なくてはいけないので、パニックになっていると使い物にならないかもしれません。
ガンベルト型
ホルスターのような形のガンベルト型もあります。
ウエストベルト型の派生タイプで、ボンベとセンサーの嵩張る部分が側面にあるので、腰のゴワツキ感が改善されています。
立って動いている時には快適だと思いますが、座るときにどうしても側面の垂れ下がった部分が邪魔になると思うので注意してください。
膨張時の形は、ウエストベルト型と全く同じ浮き輪状になります。
まとめ
今回はライフジャケット形による違いについてまとめてみました。
餌釣りなら、安全性を重視したジャケット型。
ジギングやエギング等のルアーアクションの激しい釣りなら、動きやすいウエストベルト型など、シチュエーションによって最適なライフジャケットが異なります。
自分のする釣りを想定して、ぴったりなライフジャケットを購入してください。
また、船で使用されるのであれば、法改正により国交省承認(桜マーク)のライフジャケットが必ず必要になってきます。
特にネット通販で販売されている激安品は、ボートで使えない物ばかりなので、注意して購入してください。
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