ゴムボートかFRPボート比較 ミニボートの選び方

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この記事では初めてミニボートを購入される方や、買い替えされる方の参考になればと思い、ゴムボートやFRPボートなどを比較し、特徴をまとめています。

 

僕が初めて買ったボートがプラスゲインと言う謎のメーカーの3.3mのゴムボートでした。

その後5年ほどで船体の接着剤が剥がれてきてボロボロになり、ホープボートのDS-110S2というFRPボートに乗り換えました。

それぞれのボートで釣りや艤装などをしまくりましたので、僕が思ったメリットやデメリットを書いていきます。

 

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ミニボートの種類

ここで言うミニボートとは全長3m前後のゴムボートやFRPボートなどの、車に直接積んで運べるボートの事です。

トレーラーを牽引して運ぶ少し大きめのトレーラブルボートに関しては今回は書いていません。

 

それではミニボートの種類ですが大きく以下の5つがあります。

  • ゴムボート(インフレータブルボート)
  • FRPボート
  • FRP(分割)
  • アルミボート
  • ポータボート

この中で、FRPとアルミは素材が違うだけで構造的にはほとんど一緒です。基本的には海ではFRP、淡水ではアルミと言うのが一般的なようです。

 

ボートによって使い方などが違うので、ここからそれぞれの特徴を書いていきます。

 

保管スペース

ミニボートを購入するにあたって必ず出てくる問題が、ボートをどこにしまっておくのかという問題です。これを解決しない事にはそもそも所有できないので、まずはここから考えましょう。

水面に浮かべて人が乗るボートなので、当然ある程度の大きさが必要です。

小さなものでは全長2m強の物もありますが、それなりに道具を積んだり、二人以上で乗る場合は3m程の大きさがなければ足の置き場すらないような状況になります。

 

そのままの状態での占有スペースは縦3m横1.5m程のスペースが必要ですが、ゴムボートの場合だと空気を抜けば小さく畳め、押し入れにも入ります。

分割式でないFRPやアルミは立てかけるように保管すれば半分程度の面積で済みます。

 

しかし、ゴムボートなら押入れにも入ると書きましたが、実際に押し入れに入れるのはやめた方がいいですね。

特に海で使う場合、使用するたびに洗剤で徹底的に洗うのならいいのですが、ほとんどの場合水で洗い流す程度になると思います。場所的にそれすら出来ない時もあります。

さらに乾いていない状態で畳むこともあり、そんな磯臭い加湿器を押し入れに入れるのは犯罪的な行為です。

あと、毎回車と押入れを往復するのは結構大変なので、出来れば庭やレンタル倉庫などの屋外に保管した方がいいかと思います。

 

保管方法は特にゴムボートやポータボートは直射日光厳禁です。紫外線によって接着剤が剥がれて空気漏れを起こすので、日の当たらない場所か、紫外線カットのブルーシートで包んで保管して下さい。

他のボートもできれば屋根のある場所か全体をカバーして保管したほうが長持ちします。

このような事を考えてまずは保管できるボートを選びましょう。

 

車への積載

車に載せれないことには使い物にならないので、保管スペースの問題と合わせて考えましょう。

車を買い換えるわけにはいかないかと思うので、自分の車にどうしたらボートが乗るかを考えます。

釣りに行く時はボートだけではなくかなりの物を同時に持っていかなければいけないので、その全てをイメージして考えて下さい。

具体的には、エンジン、釣り具、クーラーボックス、魚探などの艤装品等々。結構な量があると思います。

カートップ

ボートを車の屋根に積むことをカートップと言いますが、まずこれが出来るかどうかが大きな分岐点になります。

FRP一体型ボートやアルミボートはカートップ以外に択肢がありませんがゴムボートならカートップも可能ですが、車内に載せることも出来ます。

 

しかしカートップは車にルーフキャリアを取り付け、船体をそこまで持ち上げなければいけないので、間違いなく疲れます。特に車高の高い車の場合は注意です。

慣れやコツの部分も結構大きいので、屋根への載せ方を考えれば体力は使いますが、意外とどんな車でも出来るとか思います。もちろん低いほうが楽ですが。

ちなみに僕(痩型)は推定船体重量70Kgのボートを一人で軽自動車のタントに載せていますが、このくらいが限界で、ミニバンに一人で載せるのはかなり辛いです。

 

もしカートップが出来るのなら、小さな荷室の車の場合一番の方法だと思います。

船体を車内に入れるというのは、かなりの面積を占有されてしまいます。カートップだと軽乗用車でも後席を倒せばその他の荷物は十分に積むことが出来ます。

 

軽自動車でカートップする場合の注意点は幅です。

道路交通法によって車の幅以上にはみ出す荷物は積むことが出来ません

3.3mのボートの幅はモデルによって違いがありますが150cm程あるので、軽自動車にカートップする場合は147cm以内のボートでないと違反になります。

高さと長さに関してはほとんどの場合問題にはならないでしょう。

車内積み

大きな荷室の車はFRP分割型を車内に載せることも出来ますが、大きなものではバスタブ2個分程度の大きさがあるので場合によってはカートップより難易度が高いかもしれません。

車内に入れた状態で重ねていけるのか、外で全て重ねてからでないと積めないのか。その辺の事も考えておきましょう。

 

ゴムボートの場合はボート自体は簡単に積むことが出来ます。しかし荷室の狭い車の場合は他の荷物が積めるように工夫が必要になるかもしれません。

釣りやすさ

ここからは実際に使う場所や使い方をイメージして選択していきます。ボートに乗ってからの使い勝手としては、ゴムボートそれ以外の2つに別れるかと思います。

船内の広さ

快適性に影響する最も重要なスペックだと思うのは足元の広さです。特に船内の幅ですね。

ゴムボートの場合はその構造上船体の両横に太いチューブがありますが、標準的なモデルでは直径40cmほどあるので、船体幅150cm-(チューブ40cm×2)で有効な床面積としては70cmしかありません。他のボートにくらべてかなり狭くなってしまいます。

チューブの上に艤装してクーラーボックスを取り付けたりも出来ますが、やはりフラットな面積が大きいほうが快適なのは間違いありません。

 

あと船内の使い勝手が悪いのは分割式ボートです。船体を2つや3つに分割している構造上、船内に高い仕切りが出来てしまいます。大型のクーラーボックス等は積むのが難しい場合もあります。

安定性

ボートの片側に寄った時にどれだけ安定しているかと言うことですが、釣りをするにはこの安定性が非常に重要になります。

もしカヤック程度の幅しかないボートだと、上半身を動かすだけで傾いてしまいますが、これでは釣れた魚を網ですくうことも危険です。なのでなるべく傾かないボートが釣りには向いています。

 

この安定性に関してはゴムボートが一番でしょう。

船体の両横にチューブがあるので、そもそも端に座ることが出来ないと言う事と、浮力のあるチューブが両端で支えているためかなり安定しています。

ただ、FRPボートでも船底形状を工夫して安定性を高めたモデルのあるので、どちらかと言うとゴムボートの方が安定するボートが多いと言う事です。

艤装のしやすさ

ボートを自分流にカスタマイズしたり、釣りやすくしたりといろいろな物を取り付けることを艤装と言います。

例えばロッドホルダーは釣り用のボートで必ず装着しときたいものですが、この取付けをどうするかが艤装の一番難しいところです。

 

FRPボートやアルミボートのように硬い曲がらない素材のボートは板を当てるなどすれば比較的簡単にビスやクランプで挟み込むなどして取り付けることが出来ます。

 

ゴムボートの場合は「多目的台座」などと呼ばれる四角いベースパーツがボートに取り付けられているので基本的にはそれを使うことになると思うのですが、チューブに取り付けられているためそれ単体で使ってしまうと大きく揺れます。

頑丈に取り付けようと思えば左右のチューブを跨ぐようにフレームを組んでそこに艤装する方法もありますが、大掛かりになり、船内が狭くなります。

 

艤装に関してはFRPやアルミがやりやすいです。取り付ける場所も自由に決める事が出来、取り付け方法も簡単です。

 

走行性能

釣りをするだけではなく、ポイントへの移動の際の快適さも少し違います。

乗り心地

エンジンの大きさやモデルによって全然違ってくるとは思いますが、僕の場合ゴムボートからFRPに乗り換えてずいぶんと乗り心地が変わりました。

 

僕のイメージではゴムボートの方が衝撃を吸収してくれそうなイメージがあったのですが、船底の形状のおかげなのかFRPの方が乗り心地がいいです。

特に波の高い時にスピードを出してジャンプすると明らかにFRPの方が衝撃が少ないです。

そこまでスピードを出さない場合はどちらもほとんど変わらない感じです。

最大搭載馬力

同じ大きさのボートでもゴムボートの方がより大きなエンジンを積むことが出来ます。

3.3mのボートではゴムボートで15馬力、FRPなら8馬力ほどのエンジンに対応しています。

 

僕の乗っているボートも8馬力までのFRPです。

僕はこれに13馬力のエンジンを取り付けて登録していますが、そこまでのエンジンパワーは必要ありませんでした。

少しでも波があるとジャンプして船体が壊れるのではないかという程の衝撃があるので、殆どはアクセル半分程度までしか使いません。多分8馬力でも全く問題なく使えると思います。

 

準備と片付け

おそらく一番の重労働になる準備と片付けですので、ここはかなり重要です。

地味なところですが、今後のミニボートライフに影響されるのでしっかりと選びましょう。

準備

まず出港場所に車で到着したらボートを組み立てたり釣具を用意しますが、ここがゴムボートとFRPでは全然違います。僕がボートを乗り換えて一番違いを感じたところです。

 

ゴムボートではまず空気を入れなければいけません。

それから艤装品を取り付け、荷物を積み込みますが、急いでやっても40分はかかっていました。

それがFRPになると10分で出来てしまいます。

 

ゴムボートかFRPの違いと言うよりも、カートップか車内積みかの違いだと思います。

もともと完成した状態で屋根に積んでおけるカートップは現地についたら下ろすだけでボートの完成です。

艤装品も取り付けたままでいいので、荷物を積めばすぐに出発出来ます。

片付け

片付けの時間はほとんど変わりませんでした。

ゴムボートでも水洗いした後にクルクル巻けばあっという間に折りたためますが、細かい物の水洗いに時間がかかってしまうので差はあまりないかもしれません。

 

ただ家に帰ってから洗う場合は注意です。

カートップでは海水で車が錆びます。ゴムボートでは洗うだけのために膨らませなければいけません。

耐久性

ボートの素材自体は毎日使用するので無ければどちらも10年程度は余裕だと思いますが、問題はゴムボートに使われている接着剤です。

 

ゴムボートはそれぞれの生地を接着剤で張り合わせてあの形に膨らむように作られていますが、その接着剤がボートの素材よりも先に劣化していきます。

長期間使用すると穴を必ず継ぎ目から空気が漏れてくるので、その都度補修しなくてはいけません。これが結構面倒でした。

 

FRPの場合は化学変化的な事は起こりませんが、ボートが硬い素材のため高いところから落とすと割れます。カートップ中は注意が必要です。

 

先にも書きましたがゴムボートの素材自体はかなり頑丈に出来ています。

少しならコンクリートに擦っても破れたりするような事はありません。

タバコの火をボートに押し付けてもガソリンをこぼしても全く問題がないほど強い素材でした。

空気漏れの補修が気にならないのであれば、どちらも気にしなくてもいい程の耐久性があります。

 

まとめ

長々とそれぞれの違いを書いてみましたが、保管場所さえ確保できるのであれば僕はFRPボートをおすすめします。

広い船内や艤装の自由度など、釣りが快適に出来るのはFRPの方だと思います。

 

ゴムボートの収納時のサイズは確かにFRPに比べるとかなりコンパクトですが、それ以外のところはFRPボートのほうが釣りをするには向いているでしょう。

コメント

  1. スイスイ より:

    こんにちわ。ルーフキャリアの耐荷重が気になり調べてます。タントのキャリアは30kgが耐荷重みたいデスが70kg積んでるとの事。設計で倍の荷重は見てるのでしょうね。少し安心しました。

    • よっしー より:

      ルーフキャリア自体は倍くらいの重量を積んでも問題ない場合が多いと思いますが、ボートなど全長の長い物の場合は前後バーの間隔が狭いと、車のピッチングで壊れる可能性があると思います。
      タントの場合は1m20cm以上の間隔を確保できていますが、別で所有しているセレナでは80cm以下のためそのままでは危険と判断しています。

  2. 藤元雅司 より:

    私も同じ流れで、ゴムボートから今回FRPに買い替えました。
    安定性を考えて150のサイドフロートを取り付けました。
    まだ出船していませんが、ボートをカートップで運ぶので、ほとんどの装備は取り外せるようにカスタマイズしているところです。
    いろいろ参考になりました。