小型船舶のレーダーリフレクターの種類と比較 新基準と旧基準、2馬力ミニボートは?

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ボート

小型船舶用のレーダー反射器(リフレクター)について詳しく紹介します。

リフレクターの仕組み、種類(新基準、旧基準)についてや、販売されている物の比較を書いてみました。

また、2馬力ミニボートでの扱いについても書いています。

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レーダーリフレクターとは

レーダー反射器(リフレクター)とは、レーダー波を反射する器具で、金属素材の板を球状に組み合わせて、全方位からのレーダー波を効率よく反射する様に作られた器具です。

小型船舶でのレーダーリフレクター

夜や霧の中を航行する場合、ほとんど何も見えない海の上では大型船はもちろん、一部のプレジャーボートでもレーダーを見て障害物を避けて航行しています。

レーダーは、電波を発射して跳ね返ってくるまでの時間で物体までの距離を測っていますが、小型船舶の船体で多く使われているFRPは、電波をあまり跳ね返さない素材なのと、船自体が小型なのでレーダー画面上に映りにくくなっています。

レーダーリフレクターを取り付ければ、小さなゴムボートでもしっかりレーダーに映るようになります。

レーダー反射器が必要な小型船舶

夜間航行(日没から日の出までの間)が出来るボートで、航行区域が河川のみに限定されていないボートは、建造(進水)時期によりレーダー反射器の取り付けが義務付けられています。

 

平成6年11月3日まで

レーダー反射器の設置は義務づけられていません

平成14年6月30日まで

船体がアルミで出来ていたり、漁船では必要がありませんが、それ以外の小型船舶は設置が必要です。

上記の場合でも東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海などの船舶が込み合うような水域を航行する場合は必ず設置が必要です。

レーダー反射器は、旧基準の小型の物(後述)で大丈夫です。

平成22年9月30日まで

漁船、アルミの船体のボートでも設置が必要です。

これも旧基準の物で大丈夫です。

平成22年10月1日以降

設置するボートの条件は上と同じですが、レーダーリフレクターは新基準の大型のものが必要です。

昼間は設置しなくても良い

夜間航行が出来るボートだけに設置が義務付けられているレーダーリフレクターなので、昼間航行する場合には、設置する必要はありません。

夜間航行する場合のみ取り付ければ大丈夫です。

ただし、船内には常に積んでおく必要があります。

レーダーリフレクターの種類

国交省認定のレーダー反射器が必要

小型船舶の備品として装備するレーダー反射器は、ボートの検査の時に確認されるもので、ライフジャケット等と同じように、JCIのハンコ(刻印)が押されている検定付きの物が必要です。

検定なしの物だと安価で売っていますが、小型船舶で使用するには2万円以上払って認定品を購入して下さい。

新基準と旧基準

建造時期のところで少し触れましたが、小型船舶用のレーダー反射器には旧基準と言われる小さなものと、新基準と言われる大きな物があります。

それぞれの違いは、反射されるレーダー波が新基準の方が多いと言うことなのですが、本体の大きさも新基準の物は旧基準に比べてかなり大きくなっています。

具体的には以下の通りです。

・旧基準

水平方向360°のうち240°以上にわたってレーダー断面積が0.3㎡以上

・新基準

水平方向360°のうち240°以上にわたってレーダー断面積が2.5㎡以上でレーダー断面積が2.5㎡未満となる方向が10°以上連続しない

要するに、新基準の物の方がレーダーを反射する面積が大きく、むらなく反射されるということです。

 

ちなみに、レーダー断面積と言うのは、実際にレーダー波に対する面積ではありません。

新基準で言えば断面積2.5㎡となっています。単純に計算すると約1.6m角の正方形が必要と言うことになってしまいますが、そんなデカい物ではありません。

正しくはレーダー反射断面積という物で、簡単に言うと物体が反射する電波の強さを、同じ強さで反射する金属(完全導体)の球の断面積で表したものです。

つまり新基準のレーダー断面積2.5㎡と言うのは、直径約1.8mの金属の球と同じ量のレーダー波を反射する事ができます。新基準のレーダーリフレクターの直径は40cm程度なので、かなり効率よく反射します。

3つの認定レーダーリフレクター

国交省認定の新基準レーダーリフレクターは3種類が市販されています。

・NAVY STAR(ネイビースター)

3つ認定品レーダーリフレクターの中で最小サイズの物が、ネービースターです。

本体はアルミ板製で、直径は32cm、重さ770gです。

取り付け金具や保護ケースなど専用のオプションも豊富ですが、値段も一番高いです。

中央にロープ等が通せるように貫通穴が開いています。

詳しくは下の記事で紹介しています。

レーダーリフレクター「ネイビースター」の組み立て方を紹介
小型船舶用の新基準レーダーリフレクター、「NAVY STAR(ネイビースター) 」を購入しました。 この記事ではネイビースターの組み立て方、分解の仕方、各部の詳細について紹介しています。 レーダーリフレクター(反射器)とは ...

・T-RF08-C-245-12

二番目がこれ。商品名と言うか、品番がとても長いです。

本体はアルミ板ではなく、ポリエチレンにアルミを溶着した物のようで、3つの中で一番軽いです。

本体サイズは横24.5cm縦37cmで、縦長の形状です。

重量も軽く縦長なので、全周灯のポールなど、棒状の物に縛り付けるのに向いていそうです。

 

・KNR-2

3つ目のKNR-2は、新基準の承認品では一番安いレーダーリフレクターです。それでも2018年2月時点で2万程度しますが。

ただ、サイズ、重量とも一番大きく、特にサイズは直径46.7cmもあり、小さなボートでは不釣り合いになりそうです。

素材はポリプロピレンにアルミ箔を貼り付けたものです。

重量は800g。

 

以上の3種類が市販されているレーダーリフレクターですが、

おすすめは一番高価ですが1つ目のネイビースターです。

常時設置する場合には、保護カバーや取付金具を使ってスマートに取り付けることが出来、昼間に取り外す場合も最小サイズなので、他の2つよりかは取り付けやすいでしょう。

また、アルミ板製なので、耐久性も一番優れています。

2馬力ミニボートでのレーダーリフレクター

検査の必要な小型船舶では、法的に設置が義務付けられていますが、検査のない2馬力までのゴムボート等では、レーダーリフレクターについて法律的に特には定められていません。

ただ、小さなゴムボートではかなりレーダーに映りにくいので、夜間航行する時は必ず装備するようにしましょう。

安いものでは、非認定品の物が安価で売っています。

また、海上保安庁のサイトに「みえなア缶」と言う、空き缶を利用したリフレクターの自作方法が載っています。

 

まとめ

 

今回は、小型船舶で使うレーダーリフレクターについての記事でした。

ボートの進水日や、使用する条件によってレーダーリフレクターが不要だったり、必要な種類が違ったりと少しややこしいので注意して下さい。

夜に装備するのはもちろんですが、濃霧や大雨など視界が悪い時にも使えますので、夜間航行出来ないボートでも、安全のため持っておくと安心です。

 

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