ボートに必要な法定備品の選び方

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ボートに乗る時や船舶検査を受ける時に必要な法定備品についてまとめました。

初めて船舶検査を受ける場合必要な物を全て揃えなければいけませんが、数も多く意外と値段が高いので一番安いものを買ってしまいがちです。物にもよりますがしっかり選択すると意外と普段から実用できる物や、コンパクトに収納出来る物などもありますので、購入する際の参考になるように紹介します。

 

基本的にこのサイトではミニボートについての事を扱っていますので、今回もミニボートについての法定備品です。より大きなボートの場合追加で備品が必要だと思います。

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そもそも法定備品とは?

沖に出ている時にエンジン故障や、ボートから落水した場合など、ボートに乗ると直接人命に関わるようなトラブルがあっても、近くに誰もいないのですぐに助けてもらうことは出来ません。道路を走る自動車の場合、最悪歩いて帰ることも出来ますが、海の上では陸まで泳ぐ間に力尽きてしまします。

 

何か問題が起これば自分で解決できるように、自分でどうにもならなければ近くを通る船舶に助けを求められるようにと、法律によって搭載が義務付けられた備品が「法定備品」です。

 

全ての船舶に全く同じものが義務付けられているわけではなく、規模や用途によって違いがあります。基本的には大きなフェリーなどは多くの数や種類の備品が必要で、ミニボートなど小さな船にはスペースの問題もあるので少しの備品でいいことになっています。

 

ミニボートに義務付けられている法定備品

小型船舶では「航行区域」と言う、そのボートが走ってもいい範囲を検査の時に決めますが、その航行区域によって必要な備品が少し変わります。

通常ミニボートの航行区域は

  • 沿岸
  • 限定沿海
  • 限定沿海(可搬型小型船舶)

この3つから選択出来る場合が多いと思いますが、今回はその中でも最も一般的な限定沿海(可搬型を含む)に必要な備品についてです。

航行区域についてはこちら

ミニボートの航行区域は3種類から選択できる
2馬力以上のボートでは、初回検査の時に航行区域という走ってもいい範囲を決めなければいけません。ゴムボートやカートップボート等のミニボートでは、3種類の航行区域から決める事ができます。それぞれの航行できる範囲や必要になる法定備品についてまとめ...

 

とりあえず下のリンクがJCIが必要な備品についてまとめた表です。

小型船舶用法定備品一覧表

JCI(小型船舶検査機構)が掲載している物なので間違いはないものだとは思いますが、全ての小型船舶の法定備品を記載する都合で脚注が多く少しわかりにくいので、その中からミニボートに必要なものだけをリストアップしてみました。

  • 係船ロープ×2
  • アンカー
  • アンカーチェーン又はロープ
  • 救命胴衣
  • 救命浮環又は救命浮輪
  • 信号紅炎(携帯電話があれば不要)
  • 消化器(バケツがあれば不要)
  • バケツ及びあかくみ
  • 音響信号器具
  • 工具
  • 黒球

このようにミニボートの場合、11種類の法定備品を揃える必要があります。

 

夜間航行をされる場合は、上記の備品の他に

  • 停泊灯
  • 舷灯又は両色灯
  • レーダーリフレクター

が必要になってきますが、今回は詳細については書いていません。

 

順番にそれぞれの詳細を書いていきます。

係船ロープ

桟橋などにボートを係留するために使うロープです。釣りの最中近くの漁港にトイレに行くために係留した事がありますが、砂浜やスロープから出船するミニボートではほとんど使う機会はないと思います。僕は太さ6mm長さ5m程の物を道具箱にしまっています。

アンカー

錨泊の必要のない船舶は不要とありますので必要のない場合はなくてもいいようですが、アンカーを使う釣りをするのであればここはこだわった方がいいと思います。効かないアンカーは凄くストレスが溜まります。

 

アンカーと下のアンカーロープは法定備品の中でも使用頻度の高い物なので、釣具を選ぶようにしっかりと選定して購入しましょう。

アンカーチェーン又はロープ

ミニボートでロープを使わずに全てチェーンと言うのは回収不可能になるので、ロープを使います。一応、水深の3倍ロープの長さが必要と言うのが一般的ですが、よく効くアンカーを使えば1.5倍ほどの長さでもよほど強風でない限りは十分効きます。

 

ロープの先端に2m程でいいのでチェーンを付けるとロープを長くしたのと同様の効果があるので、長いロープの収納スペースがないミニボートではおすすめです。

救命胴衣

常に装着するものです。快適に釣りをするためには絶対にケチらないようにしましょう。

 

ライフジャケットにも法律的な種類があります。

  • TYPE A…胴衣の要件を全て満足するもの
  • TYPE B…反射材の要件が省略されたもの
  • TYPE C…笛及び反射材の要件が省略されたもの
  • TYPE D…色の要件が省略されたもの
  • TYPE E…色及び反射材の要件が省略されたもの
  • TYPE F…色、笛及び反射材の要件が省略されたもの
  • TYPE G…浮力がやや少ないために着やすくなっているもの

このように7種類のライフジャケットがありますが、ミニボートの場合はTYPE AかTYPE Dのどちらかが必要です。

 

一番安い物はオレンジ色の「これぞ救命胴衣!」と言った感じの物ですが、これは全くおすすめできません。中に分厚い浮力材が入っていて、暑い!動きにくい!ダサい!と三拍子揃っています。貸しボート屋などはこれが標準のところもありますが、自分で買うのであれば少し高くなりますが膨張式の物がおすすめです。釣り具メーカーからもおしゃれなデザインの物もありますが、ボートで使うのであれば桜マークが付いた国土交通省の承認のある物でないと船舶検査に合格しません。膨張式の場合はほとんどがTYPE Aです。検査の時はボートの定員数必要ですが、実際に乗っている時はその人数分積んでいればOKです。

 

ちなみにライフジャケットの着用についても法律があります。これまでは12歳以上の場合は「着用努力義務」という一応着ていなくても違反とはなりませんでした。僕も面倒で着ていないことも良くあったのですが、平成30年2月からは12歳以上の場合でも「着用義務」になるようです。これはもちろん点数の加算や罰金もあります。

救命浮環又は救命浮輪

同乗者がボートから落水した場合、助けるために投げる浮き輪のようなものですが、これも使用頻度はかなり低いと思います。浮力を確保するために直径40cm厚み8cmと小さなミニボートでは非常に邪魔なサイズです。ゴムボートではチューブの上に縛り付け、FRPボートではバウデッキの下に収納していました。ライフジャケットと同じ様に膨張式のコンパクトな物もあります。

 

救命浮環の有効活用はこちら!

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信号紅炎

近くの船舶に緊急事態を伝えるために使うものです。用途は少し違いますが、車で言う発煙筒の様なものです。有効期限が3年程度しかないのでその都度買い換える必要があります。

有効な無線設備がある場合不要とあるので、サービス圏内であれば携帯電話で代用することが出来ます。ミニボートで行けるような距離では、ほとんどの場合電波は届きます。

消化器

赤バケツを備えるものは1個減じてよいとあります。ミニボートではもともと1個だけでよいので赤バケツを持っていれば消化器は不要です。

 

法定備品用の赤バケツとして折りたたみ式の物が販売されていますが、全体的に赤っぽい色や、消化用と書かれたバケツであればなんでもいいみたいです。僕は百均で買った物を使っています。

バケツ及びあかくみ

船外機船はバケツ(消防用と兼用可)1個でよいとありますので、上記の赤バケツと合わせて1個だけ持っていればOKです。

 

バケツは餌を溶かしたり、魚を絞めたり、用を足したりと非常に重宝するので、ぜひお気に入りの一品を持っていって下さい。

音響信号器具

汽笛を備え付けているものは不要。笛でもよい。とありますので、ここはおとなしく笛を買いましょう。他人と差別化するにはリコーダーやタンバリンと言う選択肢もあります。

 

ライフジャケットにも笛が取り付けられていますが、これとは別で1つ必要です。

工具

法的に決められている物は以下のものです。

  • ドライバー
  • レンチ
  • プライヤー
  • プラグレンチ

普通はエンジンを買ったら付属してきますが、中古などで工具がない場合は自分のエンジンのボルトにあったサイズの物を用意する必要があります。

黒級

アンカーを装備している場合にのみ必要になります。

 

航路などアンカーを打って停泊する場合に掲げなければいけません。

結局用意しないといけない物は?

代用出来る物が多いので上で書いたもの全てが必要なわけではありません。

  • 係船ロープ×2
  • 救命胴衣
  • 救命浮環又は救命浮輪
  • 携帯電話
  • 赤バケツ
  • 工具

以上の7つが最低限必要な物になります。

 

釣りをするのであれば、これに加えアンカーとアンカーロープ、黒球も持っていったほうがいいです。

 

まとめ

法定備品について詳しく書いてみましたが、初めてボートを買われるという方は使うことがあまりない物もあるので最安値の物で揃えたくなるかと思います。

 

上でも書きましたが特にライフジャケットに関しては定員数必要な上、単価がそれなりに高いので安い物を選びたくなりますが、自分の着る分1着だけでいいので膨張式の着やすい物を選びましょう。逆にほとんど使わないような物は安いもので十分です。しかしほかと比べてあまりにも安いものは桜マークが入っていない船舶検査では合格出来ない物もありますので注意して下さい。

 

船検セット等の名前で販売されている備品類のセットには、ミニボートには不要な物が入っていたりするので内容を確認した方がいいです。

 

以上、法定備品についての記事でした。

コメント

  1. KAZUKI より:

    予備検査無しのボートを登録しようと思い
    色々なサイトを見てきましたが、どれもやめた方がいいとか買い替えを
    お勧めしますとかで一向に話が進みませんでした
    今回このサイトを開いたことで、自分のモヤモヤ感が一気に晴れる事になりました
    本当に感謝します、今からすぐにでもJCIに連絡を入れたいと思います。
    ありがとうございました              
                                     感謝・・・

                                  

    • よっしー より:

      返事が遅くなってしまいました。

      このブログの記念すべき第1号のコメントをして頂きありがとうございます。

      ミニボート関係はやっている人も少なく、情報量が多くないので僕も苦労しています。

      予備検査なしのボート、知恵袋などで僕も同じように言われた記憶があります。お役に立てたのであれば幸いです。

      これからもミニボート記事、更新していきますのでよろしくお願いします。